要旨
インターネットを介した遠隔講義への期待が高まっている.小規模な設備とある程度の技術を用いて、学内に限らずあらゆるところで遠隔講義ができるかどうかを実験した。その経験から遠隔講義に必要な工夫を述べ,開発を期待する講義支援ツールを提案する.
はじめに
社会の多様化に伴い,学習の形態が変化し,学齢期の教育を目的とする学校教育の期間だけでなく、出生から生を終えるまで生涯学びを持続することが求められている。
学習の期間が変化してきただけでなく、 「いつでも」,「どこでも」,「誰でも」学びたい時に学ぶ自由も求められている.
高等教育機関においては、仕事を続けながら学びたいという社会人,遠隔地にいても学びたいという学生の要求と,多忙な講師が学外からの授業をしたい・1室の収容人数を超える受講者や遠隔地に居住する学生の入学も受け入れたいなどの要望が高まり,大学をはじめとする多くの教育機関では,様々な教育支援技術を利用する事を検討・実施している.
初等中等教育機関においては、情報社会に主体的に対応できる「情報活用能力」を育成する教育が推進されている。
このような社会的要求に対してインターネットの技術を利用した教育に大きな期待が寄せられている。
本論文では, 2005年1月現在までの状況で、ある程度の投資で誰でも入手可能なツールを使って行ったフィールド実験をもとに,遠隔講義の問題と課題をあげ、インターネットを介しての教育効果の高い遠隔講義を提供するために開発を期待するツールを提案する.
遠隔講義への期待と要求(p4の5章遠隔講義実験)迄は、書き直しを予定中
遠隔講義を支えるインターネット環境
平成15年「通信利用動向調査」[1]によれば、平成15年(2003年)末のインターネット利用者数は7,730万人、人口普及率は60.6%であり、13歳から39歳までのインターネット利用率は90%を超えている。そのうち自宅でパソコンからインターネットを利用する個人利用者の42.3%がブロードバンド回線を利用していると記されている。
このインターネット環境の普及により、遠隔講義への期待は急速に広がってきている.
1990年代後半からSOI[2]やTIDE Project[3]などでは,海外との遠隔講義実験を大がかりな仕掛けを用いて続けられてきた。そして、ようやく一般的な教育機関で利用できる程度の,簡便で手ごろな価格の小規模システムを用いて遠隔講義を実施できる時代がやってきた.
遠隔講義への期待に関する調査
一般の受講者にとって、遠隔講義がどの程度有用と感じられるかを調べる為に,アンケートを実施した.
高等教育機関(社会人大学院)の学生に対するアンケート結果
2003年の関西オープンソース+フリーウェア2003[4]の会場から梅田校舎へ向けてのリアルタイム配信の遠隔講義の体験者に
選択式の質問に対する回答では,
・遠隔講義に対する興味 有 87% 無 13%
・今回の配信は 良好19% 普通70% 悪い11%
・対面講義との比較 良好15% 普通70% 悪い15%
・Web上の講義動画があれば良いか
良い71% どちらでも26% いらない3%
その理由(自由回答)は,
・理解を深める為に何度も繰り返し学べる 30%
・仕事受けられなかった講義が受講できる 25%
また,自由記述の欄には
・対面講義同様質問したいとの希望 30%
の記入があった.
上記の結果からみると,リアルタイム配信においては質疑応答可能な双方向性と,Video On Demand型(以降VOD)の配信への要求の高さが現れている.
初等中等教育機関(小学校)の児童と教師に対するアンケート結果
国際交流に関心を持つ教員へのICTに関するアンケート
アンケート結果に見る遠隔講義への期待
遠隔講義が可能な基盤が整備されているという前提で、何が問題となるかについて、以下のようなコメントがあった。
上記のアンケートより,教育機関の種類にかかわらず動画情報を含む遠隔講義が求められていることがわかった。
遠隔講義が提供する学びの広がり
「いつでも」,「どこでも」,「誰でも」学びたい時に学べる環境が整えば、いままでさまざまな理由で教育を受けられなかった人々が、自分の学びの目的にあった、そして、自分の学習レベルに適した講義を受けることができる。
講師にとっても、一人だけでは準備できない資料、例えば特殊な装置を用いての実験や、世界のトップレベルの技能者の技を見るなど放送で提供されたように、これを自由に取り出すことができる。
「技術としてTV会議や移動しながらの遠隔地とのやりとりが可能になった時に、その技術を用いてどのよう内容の講義に作り上げていくかということが問題である。」という教師のコメントにあるように教育という全体的な流れのなかで、
これらの技術をどのように組み合わせてどのような場面で用いるか
を考えることが必要になってきているといえる。
講義の配信といっても、医療・芸術・体育の分野などの分野での遠隔講義では、映像を伴うものが必要となる。
遠隔授業に求められる要素
今回の実験においては,上記のアンケート結果を考慮に入れた上で,遠隔授業を単位取得可能な講義として位置付けるのに必要な条件を以下のように定めた.
・誰でも入手・利用可能な環境で受講できる事
・音声・映像・資料の提示が可能な事
・質疑応答もできる双方向通信が可能な事
・受講生が講義をもとに新たな発想を引き出せる議論ができる事
レポート提出などを期限内に提出可能なスケジュールを提供できる事
しかしながら,既存の遠隔講義コンテンツのなかで,インターネットの特性である双方向性を活かした遠隔講義はあまり見られない.この特性を活かして受講生が互いに助け合い,議論を進めることで,講師が伝える知の範囲を越えた学びを実現する可能性が生まれ,主体的に学ぶ場を提供できる.
↑ここまでは書き直しをします。
遠隔講義実験(←この章は、そこそこ書いたつもり)
技術という視点から利用可能なツールの入手しやすいもののいくつかを用いて学内だけに限らず学外においても実際にインターネットを利用した遠隔講義技術を行った。
遠隔講義には大きく分けて, 講義終了後にデータを公開するVOD(VideoOnDemand)型と講義が行われている時にライブ配信するリアルタイム配信型の2種類がある.
VOD型は通信環境に左右されることがない上、講義後に収録データの編集も可能である為、遠隔講義の提供に慣れていない初心者にも容易にデータ制作が可能である。また、スライド連携の配信データ制作用のツールが数多くあるので、これを利用すれば、誰にでも簡単にVODデータを制作かのうである。
まずは、このVODデータ制作の実験について述べる。
VOD型講義実験
動画データのみの収録実験
学内だけの配信であれば,高画質のデータをそのまま配信可能な場合もあるが,学外での受信を考慮に入れ,エンコードしたデータを配信する事を考慮に入れて収録した.
動画のソースデータの収録
VOD型においてもリアルタイム配信型においても、まずは動画のソースデータがクリアな映像と音声を収録したものであることが前提となる。
映像
エンコードの性質上, 映像が複雑で,動きが多いほど,ブロックノイズが出来やすくなるので,ズーム・パン・チルト等不要なカメラの操作は控えた.
また,配信用の映像は通常ディスプレーの全画面より小さいサイズで表示される為,話し手が大きく中心に映るように撮影した.
今回の実験では、講師が講義室でスライドをプロジェクタからスクリーンに映しながら講演をする形式のもの多かった。しかし、講師とプロジェクタで映した資料の両方を同じ1台のカメラで収録するのは容易ではない。
この場合、室内の受講生に鮮明な画像を見せるためにスクリーン近くの照明を落とすことが望ましい。しかし、講義の様子を録画するにはスライドの内容を説明しながら話をする講師にあたる照明が不足するので、講師が暗く映ってしまう。
スクリーンに提示した資料も同時に撮る必要がある場合,室内の状況が許せば、スクリーン前の照明のみを暗くし,残りの照明をつける.こうすれば講師の顔にライトをあてる事ができ,スクリーンの明るさとの対比で講師の顔が暗く映ってしまう現象を減少させる事ができる.
講演者の方の作られる資料の背景がグレーなどの輝度の低いものの場合には講演者とスクリーンの両方を同時に収録しても、講演者の姿も見えるように収録できる。
スクリーンに投影するのがスライドデータのときには上記のような工夫でしのぐことができるが、ビデオやインターネットで検索したページを提示するときには、このような工夫をすることもかなわない。
放送局ではクロマキーの技術を使い画像をはめ込む方法や、プロジェクタの色温度を下げて出演者と提示画面の両方同時に撮影する方法がとられている。しかし、クロマキーの技術では講師に提示画像が見えない状態で講義をしなければならないし、プロジェクタの色温度や輝度を下げると講義室内の受講者に変更をかけた資料を見せなければならないので、このような方法は一般の講義で用いるのは適切ではない。
今のところ、プロジェクタを用いた資料提示の講義において1台のカメラで講師映像とともにスクリーンに映し出した映像を収録するのは困難であるといわざるを得ない。
ところで、いくつかのビデオに人物を意図せずに液晶やプラズマのディスプレーを同じ画面に収録したと思われるものがあった。この場合部屋の照明も特別に変更している様子はなく、人物もディスプレーに映った画面もきれいに表示されていた。提示資料を投影するスクリーン自体が発光するものの場合は, 自然な状態のままで提示資料全体を講師の画像と共に収録が可能におもわれるので、今後の実験においては、資料提示をプロジェクタを用いずに、部屋の照明を落とさずともクリアに視聴できる大型ディスプレーや大型TVのような装置に表示したものを講師と同じ画面に収録して実験をしたい。
カメラの台数を増やすことが可能なときには、次のような解法も試してみた。PCとプロジェクタの間にスキャンコンバータをつなぎ、ここからビデオカメラへも提示資料のデータを送り、直接収録するのである。
カメラを複数台使用すると、スクリーンに映る資料もクリアに収録できることがわかったが、それを遠隔講義として提供するには、をそれぞれのカメラに同じ音声を入力する為の音声を分岐する機材や、複数のカメラで収録したデータを編集するのに必要なビデオミキサーなどの機材やソフトウェアが必要となる為、カメラを複数台使用する実験についてはこれからの課題とした。
音声
遠隔講義として動画を配信するときに最も重要な情報は音声である。前述の選択回答形式のアンケートにおいても,最も重要な要素として音声を選んだ受講生が60%,重要でない要素として人物映像を選んだ受講生が80%であった.明らかに, 音声が重要な要素である事がわかる.
映像はデータが欠落して紙芝居のようにまばらな表示になってもある程度の情報を伝えることが可能であるが、音声はデータの欠落で音声が途切れたり、音量不足で聞こえにくかったり、逆に音量が大きすぎて音割れを起こしたりすると、講義の内容を理解できなくなる。また、速度が変わって早まわしのようになって再生されると同じように講義の内容を理解できなくなる。
ところが、音声は映像と違って適正な音量で録音されているかどうかを確認することが難しい。それ故、音量レベルメータが表示されるビデオカメラを使うことが望ましい。
さて、雑音を拾わず鮮明に講演を収録するだけであれば、有線のピンマイクなどマイクをカメラのマイク端子につなぐとういう簡便な方式でも充分である。しかし、質疑応答など、他の話者の音声も収録する必要があるときや、提示資料が音声を含む動画資料である場合には、これらの複数の音声をビデオカメラに収録するためにミキサーが必要となる。
良質な音声を提供できるよう,ミキサーに入ってくる音量をヘッドホンで確認し、ミキサーの音量レベルメータも参考にしながら各マイクの音量を調節した。
講演場所が、ホールなどで、ミキサーの機能が備わったAV機器のアンプがある場合には、アンプからの音を採るのが望ましい. しかし,入出力部分の接続形態が機器によって違うので,事前に調査確認が必要である
音声の出力端子がない場合は、会場にスピーカから出力される音をカメラに取り付けた指向性のある外部マイクでビデオカメラに取り込んだ
音声の出力端子がある場合、出力端子の形状に応じたケーブルを準備し、その端子からカメラのマイク入力端子まで繫げば、スピーカに出力される音声をクリアに収録できる。
収録対象となるマイクの数にかかわらず、有線で音声入力をするには、ケーブルの長さの範囲内にしかカメラを設置できない。
そこで、無線のマイクミキサーを導入し、講演者・司会者・受講生の質疑のそれぞれに対応できるようにした。このマイクミキサーの導入で、会場に拡声器の設備がなくともクリアな会話も収録できるようになった。
動画ソースデータのエンコード
動画ソースがクリアに収録されているという前提でこれをVideo On Demandで配信するためには配信可能な帯域内に納まる大きさのデータに圧縮しなくてはならない。
今回の実験ではビデオテープに収録されたデータをキャプチャし、Adobe PremiereからReal Playerで再生できるファイルをエンコードして作成するという方法か、または Real ProducerやCleaner Liveを用いて収録と同時にエンコードして作成した。
なお、エンコード用PCでは、不要なアプリケーションを動かさないようにすることは、エンコード作業の常識である。しかし、エンコード専用のPCを利用できないときにはバックグラウンドで動いている不要なアプリケーションなどが動かないように調整することが必要である。
エンコードの設定
エンコード時に選択するビットレートは、256k DSL or Cable 用の設定でConstant bit rateが225kbps、その内、映像は30FPS(1秒に30フレームを表示)画面サイズ320x240ピクセル、音声はVoice codec 指定時には32kbps VoiceまたはMusic codec 指定時には44kbps Stereo Music High Response – RA8の設定を中心にデータをエンコードした。
なお、可能なときには、低帯域の環境でも視聴可能なように低ビットレートでのエンコードも行った。
低帯域向けのエンコード
低帯域向けにエンコードするにはビットレートを低くし、データを軽くする工夫が必要である。
まず、映像のフレームレートを落とす必要がある。フレームレートを落とす場合、元の映像のフレームレート数を割り切ることのできる数で指定すると少ないフレーム数でも見やすい映像になる。そこで、低ビットレートでエンコードするときには、滑らかに動いていると感じるように15FPSで指定した。
次に、画面サイズを小さくする事である。キャプチャするために接続しているカメラの種類によって、デフォルトの画面サイズが変化する。デジタルビデオでは720x480ピクセルが、Webカメラの場合は 320x240ピクセルが初期値の場合が多い。
大きい画面サイズの表示には当然多くの帯域を必要とするので、配信時の帯域を予想して、適切な画面サイズを選ぶ必要がある。 180x120ピクセルの画面サイズに設定してエンコードしても、被写体に寄って撮影したものであれば十分に視聴に耐えるものとなる。
ビットレートを低くしてエンコードしたときの問題点は、映像においては、動きの激しいシーンでブロックノイズが現れやすい事、音声においては金管の中から聞こえてくるような音質で、なおかつ早口で話しているかのように聞こえる現象が起こる事である。
これから広帯域で通信可能なインフラがますます普及することは明らかであるが、それと平行して帯域の狭い移動体通信の普及も目覚しいものがある。
スライド連携のツールを使用した収録実験(←ここは書き直し予定)
講義をVODとして配信している多くのサイトでは,インデックス・講師の映像・講義資料・電子白板や関連資料へのリンクを1画面に収めて連携再生する[5]形式のものが多く採用されている.
今回の実験でもSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)とVisual Basic Scriptを用いて、同様のデータを自動生成するスライド連携型遠隔/VOD講義支援ツール(以降自動講義収録システム)を利用してVOD用に収録し,講義収録当日にWebにVODとして公開した.
また,この自動講義収録システムとの比較を兼ねて,VOD収録時には,ビデオカメラでDVテープに録画しながら, 自動講義収録システムを搭載したPCにカメラのデータを取り込んで収録し,講義後DVテープから,2つの形式のファイルにエンコードして公開した.また,別途PCとカメラとマイクを用意してリアルタイム配信し, 配信と同時に保存したファイルもVODとして当日公開した.
実験の概要
今回の実験では,必要な条件を満たすように以下のような方法で配信し,これらの条件が現状どの程度満たされているのかを実験した.
ファイル形式
誰でも入手可能で利用可能な環境で遠隔講義を受講できるように,一般的によく利用されている2種類のファイル形式で配信した.
映像
前出の「動画データのみの収録実験」の「映像」に記載のとおりである。
講師の目線を捕らえることは,遠隔地の受講生に臨場感を与えるのに有効である.そこで,講師が主に見る資料が存在する位置(PCの画面・講義室後方設置のスクリーン等)を考慮し,視線の延長線上近くにカメラを設置した.
簡便な方法としては、スクリーンの5分の1ぐらいまでなら講師と同じ画面にいれても、講師の様子を判別できる程度に収録が可能である。
音声
. 前出の「動画データのみの収録実験」の「映像」に記載のとおりである。
講義の提示資料
多くの講義収録システムはPowerPointで作成した講義資料を提示し,それを画像に変換して配信用に保存している.今回利用のツールも同様である.
しかしマルチメディア型のプレゼンテーションが一般的になり,動画の提示,インターネット上のサイト参照,音楽の再生などが行われるようになってきている.また,板書の代わりに使い慣れたアプリケーションを使用して要点を書き込みながら進める講義や講義中に直接提示資料に手書き入力する講義,指示棒やレーザーポインタを利用する講義もある. 講師の使いたいプレゼンテーション用アプリケーションも多様化してきた.
このように多様な講義スタイル全てに対して対応するという事はできなかった.
電子白板
リアルタイム配信型講義実験(ここはそこそこ書いたつもり)
リアルタイムで通信ができで初めて遠隔講義の双方向性のメリットを享受することができるようになる。そこで、まず、リアルタイムに映像を配信する実験をした。
学内からの配信実験
エンコード済みデータの配信
学内から有線でつないでの配信はグローバルIPが振られ、ネットワークの帯域も充分あるので、配信エンコード用PCにサーバアプリケーションもインストールし配信することも容易にできた。しかし、多くの視聴者のリクエストを受ける為に別途配信サーバを立てた。
配信サーバを学内に据え置きにし、グローバルアドレスを振り、これに名前をつけることで学外からの配信が可能になった。
このサーバに向けて以下のようにエンコードした実験データを送って配信した。
有線LANでの配信は安定しているので、次に無線LANで配信をした。
無線の場合は室内の場所によって通信が不安定な場所もある。配信中に通信が途切れることは避けなければならないので、無線LANを利用して配信する場合は、電波状況のよい場所を確保しなければならない。安定して通信のできる状況であれば無線LANを利用しての配信も充分利用可能である。
無線LANの場合は、移動しながらの配信も試してみた。同一の建物の中に複数のアクセスポイントがある環境で、移動しながらの配信も問題なくできた。
LANの形態が有線であるか無線であるかによって配信の違いはない事がわかったが、移動しながらの配信では小型で軽い機材を用いる必要がある。
DV伝送を利用した配信
同一LAN内であれば100Mbpsでの伝送が一般的に普及している。そこで、デジタルビデオ(DV)カメラの映像と音声をDVTSやDVcommXPを研究室のエンコード専用PCに送り、そのエンコーダPCに入っているCleaner Liveというアプリケーションでエンコードしながらサーバ経由でリアルタイム配信を試みたところ、PCに直接DVカメラを繋いだときと変わらず、クリアな映像と音声を配信することができた。
また、大阪市立大学創造都市研究科の杉本校舎と梅田校舎も100Mbpsで繋がっている。そこで、梅田校舎からそのまま杉本校舎に向けて送った。この伝送には30Mbpsの帯域が必要であるが、受信したその映像をプロジェクタで投影し音声をスピーカから実際に出力してみると、実験結果は良好であり、板書した文字やスライドの細かい文字までも鮮明に映し出すことができた。
そこで、杉本校舎のエンコード専用PCにそのデータを取り込みリアルタイム配信した。こうすることで、いろいろなアプリケーションをインストールしてしまったPCでエンコードするのとは違い、安定したエンコードが可能になるという大きな利点がある。
学内からの配信では、この方法でリアルタイム配信をするのが、一番安定してクリアな映像と音声を提供できる。しかし、学内であっても、ネットワークの回線が10Mbpsしかサポートしていない部屋もあるので、このような場合には30Mbpsの帯域を必要とするデータの伝送はできないので、室内でエンコードしたデータをサーバ経由で配信することになる。
学外からの配信実験
学内からの配信は環境の把握ができているので簡単に配信できるが、学外から配信をしようとすると様々な問題がでてくる。
ネットワーク接続(学外の施設の環境利用時)
配信をするには、なによりも先ずインターネットに接続しなければならない。
ネットワーク接続のしかたも学内とは違うので、以下のような点を確認しておかねばならない。
インターネット接続が可能か
施設のインターネット接続利用というのは、まだ多くはない。そのような状況なので、その施設のインターネット接続設定を知っている担当者は少なく、その上、その担当者が施設に常駐しているというわけではない。施設によっては、インターネット接続の申請ごとにプロバイダとの短期契約をしなければならないこともあるので、実際に配信をする施設においてインターネット接続ができるようにするためには、時間的な余裕を持って問い合わせをする必要がある。
プロキシが用いられているか
グローバルアドレスかローカルアドレスか
学外では、ほとんどの場合インターネット接続にはローカルアドレスを振る。データ配信するには、視聴者がつなぐ先を特定できるように接続先を特定できるようにしなければならないが、ローカルアドレスを振られたPCに接続するには、中継機器などに設定が必要となる。常時使用するわけではないところの設定を変更はできないので、収録会場から配信サーバに向けてデータを送り、そこから配信する必要がある。ただし、サーバとも交信が必要となるので、ローカルアドレスを振られている状態であっても、インターネット側から見えるIPアドレスを確認し、エンコーダに設定する必要もある。
DHCPか手動設定か
多くの場合インターネット接続にDHCPで繋ぐことが多いが、手動でIPを振るようにしているところでは、会場の担当者にその設定(IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバ)等をあらかじめうかがっておく必要がある。接続方式が無線の場合はユーザーID、パスワード、電子証明書など接続に必要な情報を入手しておく必要がある。
通信プロトコル
動画の配信では、パケットのロスがあったとしても、パケットを再送する必要はないのでUDPでサーバにデータを投げる方が効率がよい。しかし、何らかの理由でUDPポートを閉じている環境では、TCPポートを使って配信しなければならない。それ故、事前にUDPで通信が可能かどうかもチェックが必要である。
プロキシが使われている環境であるか
多くのPCが細い回線につながっているようなところや、インターネット接続の監視が必要なところでは、プロキシが用いられていることがある。この場合、エンコードPCとサーバとの通信ができず、配信ができなくなる。そのような場合は回避策がとれるかどうか検討する必要がある。
ネットワークの帯域
インターネット接続が可能になったとしえも、まだまだ問題は多い。
その施設のインターネットの回線の上りの帯域と下りの帯域はどのくらいか、それを何人で分け合うかなどの条件で使用できる帯域が限定される。イベントなどで複数の動画配信を流す場合には要注意である。
そこで、ネットワークの上りの帯域を直前にもチェックすることがのぞましい。
ネットワークの中継機器
ネットワークの回線に余裕があっても、ルータやスイッチなどがボトルネックになっていることがある。この場合は、事前のテスト配信に成功していても本番ではうまくいかないということがある。
ネットワーク接続(移動体通信の利用時)
前述のように、ある程度広帯域の環境を確保できるという利点はあるが、常時利用している環境以外の場所でインターネットに接続するのは容易ではない。
移動体通信は狭帯域ではあるが、接続の容易であるだけで泣く、広範囲の地域内で移動しながら接続できるという利点がある。
現在キャリアによって差はあるが、一番広帯域のサービスをしているところで、下り最大2.4Mbps上り最大144Kbpsである。他社は下り最大384Kbps 上り最大 64Kbpsである。しかし、これらはいずれもパケット量や通話時間による従量制である。
今回の実験で数回この移動体通信を利用しての配信を試みたが、一月に4万円ほどの請求額となった。最低週1時間の講義を扱うであろう遠隔講義を配信/受信する場合、このような従量制のサービスでは利用しづらい。
定額制の使用料金のサービスの出現がインターネットの常時接続の普及に大きな役割を果たした事を考えると、移動体通信においても、動画を扱うことのできる程度の帯域を扱える定額制のサービスの普及が大きな流れを作ると考えられる。
現在定額制のデータ通信向けサービスで主流となっているものは、下り最大32kbps 上り最大17kbpsのものである。これらの移動体通信機器の扱う帯域も、順次広帯域のものに移行していくと予想されるが、上り下り共に最低128kbpsのISDN以上の帯域のサービスを定額で利用できるようになれば、PCユーザだけでなく移動体通信機を所持する受講生も遠隔講義の恩恵を受けることができるようになる。
また、32kbpsや64kbps程度でもクリアに再生できる圧縮技術が出現すれば、この問題の解決に大きな貢献をなすだろう。
フィールド実験@KOF(←ここも書き直し予定)
近い将来学外から講義支援ツールを利用しての配信も行われるようになるであろう.そこで,正規の授業として学外から学内へ向けて遠隔講義を行った.
実験的な配信と違い,正規の授業であるので,スライド連携を行わず映像と音声のみを確実に配信する事を目標とした.配布資料は両会場の受講生にプリントで配布し,両会場間の連絡はチャットを用いた.尚,会場のLAN回線に異常が起きても学内と連絡をとれるよう,別のMobile通信環境を備えたPCも1台用意した.講義に関する質疑では,講師が居る会場での質問は口頭で受け,学内で遠隔講義を受信している教室の受講生の質問はスタッフがチャットに質問内容を打ち込んで伝える方式を取った.
この実験は50分間の配信予定で,映像音声共にほぼストレス無く伝送する事ができ,配信状況は良好であった.しかし,両会場からの質疑応答を殆ど終えかけた残り5分頃に接続が切れて配信不能となった.
学外の会場から遠隔講義の収録や配信を行うには,会場の通信環境と各種機器の環境と部屋のレイアウトに大きく依存する為,事前調査が必要で,必要な機器やケーブル・コネクタ類も準備しなければならない事があるので,学外からの配信は解決すべき問題が多いと言える.
TV会議←これから書きますm(_ _)m
http://www.vtv.co.jp/intro/tech/ent_net.htmよりのメモ
テレビ会議システムの通信プロトコル
ゲートキーパーを使用した通信
通信帯域について
ネットワークにNAT(Network Address Transration)が介在する場合
ネットワークにファイヤーウォール(Firewall)が介在する場合
(プロキシ型Firewallでは通過できません)
NAT/Firewallの解決方法
Global IPを使用するetcの問題があるらしい
1地点の人数(1人・数人・数十人)
2地点数(2地点・多地点)
フィールド実験
福島小学校(同一LAN内Polycom)
ACRI研究会とプロップステーション(Polycom)
ソフトウエア技術者協会関西支部教育分科会(Polycom・iVisit)
遠隔講義ツールの問題点と課題(←このあたりも書き直し予定)
双方向通信(質疑応答等)
質疑応答もできる双方向通信が可能であることを期待する人が多いが,リアルタイム配信中の状況では,エンコードしながらの配信の為, 10秒~最大30秒程度の遅延が起こっていた.遠隔講義の受講生が対面講義と同じように講義室の講師と質疑応答するには遅延時間が大きいといえる.
さて、インターネットを介した講義における双方向性はどちらかといえば、受講生の視点からのものを指すことが多い。しかし、講師にとって、受講生がどのような反応を示しているかを知ることは、効率的な講義を薦める為に重要な情報である。
また,講師にとっても,遠隔地の受講生の理解度を講義中に確かめるには何らかの方法で遠隔地に散在する受講生の情報を取得しなくてはならない.しかし多くの場合チャットとメーリングリストを利用して学外と学内の受講者が情報交換をしただけにとどまっている.
しかし、掲示板やチャットにおいては文字入力の得意なものだけに与えられた、双方向通信の講義のやり方でしかない。ここにグラブ表示が可能な投票型掲示板が連携されれば、リアルタイム配信時においても受講生は講師に受講状況を伝える事ができる。この形式であれば、講義中の講師にとっても、受講生の理解度を少ない遅延で視覚的に取得できる。ほぼリアルタイムに受講生の理解度が低い部分を知ることができれば、講義時間内に補足説明などを加える事も可能になる。
指示先の予測情報と指示先情報の伝達
講義自動収録システムで作られるスライド連携のVODは、各要素間の時系列的な連携は実現されているが,講師が次にどこを指し示すかという情報を知らせるツールは無い.
通常の対面講義では,講師がスクリーンの方へ近寄り,指し示したいところに向かって手を伸ばすと, 受講生はこの講師の動きから,提示資料の方へ関心を移す準備をする.ところが,講師の胸と顔の映像を配信しただけでは,講師の指示先を予測する情報取得できない.
講師映像とスクリーンの位置関係と配信時のレイアウトを揃え,講師の上半身の体向きや,手の動きもわかるように撮影すれば,講師の指示先の予測情報を遠隔地の受講者に送る事ができる. このような指示先の予測情報があれば、講師が突然電子白板に手書き情報を書き込んだ時にも、遠隔地の受講生が即座に電子白板に注意を向けることができる.
講師が資料のどの部分を指し示しているのかを表す事も重要である。カメラの自動明るさ補正機能で講師の顔が暗く映ってしまう現象を避けながら収録するには,スクリーンに提示する資料の各行頭の文字が見える辺り(一般にはスライド幅の約5分の1くらい)までを含んで撮影する事で,講師が提示資料のどの部分を指し示しているかが判るように収録できる.
このような工夫により, 遠隔地の受講者は講師の動きを予測し,無理なく提示資料と講師の人物映像とその他の情報を適宜選択して見る事が可能になり、スライドのどの部分についてのコメントを述べているのかを容易に知ることが可能となる。
複数の動画データ
講師の映像と提示資料として使われる動画の双方を収録・配信するのは、さほど難しくはない。難しいのは音である。会場となる施設に音声入力と音声出力の端子を備えるアンプが提供されていれば両方の音をまとめて収録するのは難なく解決することではある。
しかし、遠隔地の受講生が複数の動画に付属する講師映像の音声とビデオの音声のどちらをより鮮明に聞きたいかは各人で違うので,受講生がそれぞれの音量をコントロールできる事が理想である.講義中の提示資料に含まれるビデオ等の音をそのような要求にこたえる形での収録にはまだ着手していない..
講義スケジュール
レポートを期限内に提出可能なスケジュールでVODを提供できるようにする事は、遠隔講義により単位を取得可能なものする意味で重要な条件である。
毎週行われる授業の復習と課題提出ができるようなスケジュールを維持する為には,なにより,講義データを早く公開する事が優先される.
従来から行われているDVテープからのVOD用ファイル生成は、DV→取り込み→エンコード→(編集)→公開の手順をふむ為,完成には講義時間の数倍の時間がかかる.講義自動収録システムを利用する事で,編集の必要が無ければこの作業時間を省略できるようになった。そのため,講義収録当日にVOD公開が可能になり,VODで講義を受ける遠隔地の受講生も時間が許せば,実際の講義の数時間後には受講できるので,レポート提出までの期間を充分に確保することができる.
講義録の併用
VOD配信により,受講者は復習可能になり,SMILの技術で必要な部分だけの復習もできる.しかし,講義録の併用は復習時間をさらに大幅に短縮し,講義全体の要旨を掴むことを容易にする.但し,人手を使っての記録では,多くの労力が必要である.最近では、音声を認識して文字に変化するツールの発達も進歩してきたようであるので、このツールの更なる改良が待たれる。
講義中の議論支援ツール
インターネットを介した講義では,リアルタイム配信中の議論を支えるツールとしてTV会議システムの利用に期待が向けられる傾向がある.これは,対面講義と同様に質疑応答できるであろうという推測によるものである. しかし,遠隔地に散在する多数の受講生をTV会議で受け入れたところで,従来の講義室同様,全受講者の中で一人しか発言できないという制約をはずす事ができない.それ故,TV会議システムは,限られた講義時間の中で対面講義とほぼ同様に質疑応答をしたいという要求に応える事は難しい.
一方,文字情報を利用したチャットや掲示板は,文字入力が苦手な受講生は参加しにくいという欠点はあるものの,ほぼ同時に書き込まれた複数の意見や質問にも短時間で対応可能である.その上, 助手の助言や,受講生間の情報交換で講義を遮ることなく疑問の解決が図られる事も有るという利点も併せ持つ.それ故, 文字情報を利用したツールは講義中の議論を支えるツールとして適している.
講義後の議論支援ツール
教育という視点から考えると,受講生は講義内容を理解するだけでなく,講義後にグループワークとして様々な議論を尽くし,新たな発想を生み出し,それをレポートなどの形に表す事が必要である.受講生がこのような成果物を提出してこそ,コンテンツ作成に要した労力と費用に見合った教育効果があったと評価できる.
現在,このような議論を支援するツールとして,メーリングリストや掲示板等,一般によく利用されているツールが用いられている.話題の流れを見やすくするために,発言をツリー状に表示可能なように工夫されたものもあるが,ツリーで表せるのは,発言元へのリンク情報だけなので,メンバーの発言内容とその関係を理解して纏める作業には適していない.
議論支援ツールの提案
議論を纏めるには,各発言間の関連が賛成か反対かまたは全く関係のない発言であるのかを直感的に見極めることのできる可視化ツールが必要である.
そこで,発散と集約を繰り返す議論の分散状況を直感的に理解できるように可視化するツールを提案する.
具体的な作業イメージは,発言者は名前とタイトルを書いたカードの本文に発言内容を記入し,参加者が共有するネットワーク上の二次元の画面にこのカードを置く.この時既に共有ボードに置かれた他のカードとこのカードとに関連があれば関連線を付与する.この関連線は,関連の度合いにあわせて似通ったものには正の重みを,また相反する内容のカードに対しては負の重みをつける.なお,他から独立しているカードには関連線を付与しない.
ある程度の枚数のカードが集まったところで,並べ替えの命令を送ると,各カードが関連線の重みに合わせて自律的に移動し,ほぼ安定した状態で止まる.この時の関連線で繋がれたカード群はある話題についての纏まりで,関連線で繋がっていないカード群は他群とは別の話題の纏まりである事が直感的にわかる. このように,各自が発言を記したカードを他カードとの関連を指定して共有ボードに置く事で,特定の個人の主観にとらわれる事無く半自動的にカード間の関連を可視化できる.
ここで提案したようなインターネットの双方向性を活かしたネットワーク対応型思考支援ツールを用いれば,従来の学習方式には無かった,講義をもとにした受講生相互のグループワークの中から発想をうみだす新しい教育効果が期待できる.
結び(←きっと追加or書き換えると思います)
インターネットを介して教育効果の高い遠隔講義を行う為に,比較的入手しやすいe-learningツールを用いての実験を重ねた.
受講者のニーズは,双方向の意思疎通を可能にし,講師の意図を正確に把握し,対面講義と同等の議論を可能にし,発展した学びへ高めたいというものである.
そこで,自然な講義室での受講に近い状況を再現できるよう,鮮明な音声の配信・配信画面に表示する画面素材の配置と講義室内の配置を揃え・講師の指示先予測できるよう講師の上半身から手先までを含めて写し,提示資料に対して指示行動がある時にはスクリーンの一部も写す等の工夫をした.
上記のようなe-learningツールを利用し,いくつかの工夫をする事で,対面講義に近い情報を提供し,レポート提出などの教育スケジュールを妨げずに配信する事が可能になった.
多くの受講生を対象とする講義において質疑応答や議論を進めるツールとして, 文字情報を扱うツールを用いれば短時間で複数の質問等に対応可能で,受講者同士で学習を支援し合えるという利点もある. しかし,音声と映像を含む本当の意味での双方向通信を目指すTV会議等の利用は,講義に参加する,例えば50名の学生全員のような多人数には対応でき難いなど,まだ検討すべき問題点がある.
従来の時間と空間に制限のある対面講義では実現できない遠隔講義ならではの教育効果を得るには, 遠隔地に散在する受講者間で進められる議論を可視化できるような思考支援ツールの開発が望まれる.
謝辞
ここに紹介した実験は,大阪市総合生涯学習センター・大阪市立福島小学校・福島区生涯学習ルーム・ソフトウエア技術者協会関西支部教育分科会・KOF2003・プロップステーション・ACRI研究会・@Nifty・OsakaITdepotの皆様に実験の場を提供していただきました。また、大阪市立大学大学院創造都市研究科中野秀男教授と大西克実講師、都市情報学専攻情報基盤研究分野関係者各位の多大なご指導と技術支援により実現したものであります。ここに記して感謝の意を表します.
参考文献
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http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/doc/soiasia-j-20021122.html (2003年9月19日)
http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/publications/soiasia-project-summary-j.pdf SOI ASIA Project Report 2001 in Japanese (PDF)
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村上 正行, 八木 啓介, 角所 考, 美濃 導彦,受講経験・日米受講習慣の影響に注目した遠隔講義システムの評価要因分析, ”電子情報通信学会論文誌” Vol.J84-D1 No.9 p.1421:教育工学
八木 啓介,亀田 能成,中村 素典,美濃 導彦, UCLAとの遠隔講義プロジェクトTIDEにおけるシステム構成,”電子情報通信学会論文誌”Vol.J84-D2 No.6 pp.1132-1139 2001年6月
美濃 導彦・角所 考, 環境メディア:コミュニケーション環境として機能する情報メディア ― 遠隔講義を具体例として, “システム/制御/情報” 第47巻 第10号
重信智宏,吉野 孝,宗森 純, 紙を越える発想支援グループウェアの開発と適用“ 研究報告 「グループウェアとネットワークサービス」No.048“
由井薗 隆也, 宗森 純: “発想支援グループウェア郡元の効果~数百の試用実験より得たもの~”, 人工知能学会論文誌, Vol. 19, No. 2, pp.105-112 (2004)
松村真宏,加藤優,大澤幸生,石塚満:議論構造の可視化による論点の発見と理解,“日本知能情報ファジィ学会”, Vol. 15, No. 5, pp. 554--564, 2003.
付録(フィールド実験レポート集)
ここにはWikiのIT拠点実験のレポート集の寄せ集めを添付予定です。