要 旨
共同通信(2006)によると、世界保健機関は2006年版の「世界保健報告」を発表し、2004年世界192カ国の中で、平均寿命ランキングの第一位の日本の女性は86歳で、男性は79歳での最長寿国と認定された。しかし、人口密度が高くで住宅事情も悪く、よく働きものである日本人はどうしてそんな長寿になったのか。その問題について約20年前からずっと話題になっているが、しかし多くの研究は日本の伝統食や風呂文化に限っている。世界各地で長寿村や長寿国は沢山あるが、日本のように国民全体の寿命が長いということは確かに少ないから、一体この国にはどんな特別なことは国民の健康状態や寿命をサポートしているのか。
健康であれば、一般的に長寿になる可能性は非常に高い。健康にいい日本の伝統食品や風呂文化は言うまでもなく長寿に深い関係がある。しかし、戦後ずっと経済急速発展した日本であるからこそ平和で安全で安心で生きていられる生活環境や高レベルの福祉施設などの条件をと揃えている。また日本人の識字率は世界一と誇るほど高いから、一般国民は健康に関する知識や関心が高まっているし、定年退職した後も生きがいを感じられるようなボランティア活動や仕事、学習などのことに力を尽くしている。
日本の高齢者は精神的な面では自立している、経済的にも、生活にも自立している。長寿は一つ二つの条件で実現できることではなく、さまざまなことによってやっとできたことであるので沢山のことを合わせて分析すべきと考えている。
キーワード:長寿、福祉施設、生きがい、精神的自立
关于日本人长寿的考察
摘要
据共同通信社(2006)的报道,世界保健机关200年版的《世界保健报告》表示2004年世界192个国家平均寿命评比中居于第一位的国家是日本。日本女性的平均寿命是86岁,男性是79岁,因此日本被认定为最长寿国。但是日本人口密度高,住房拥挤而且日本人还是工作狂为什么他们会长寿呢?关于这个问题大约从20年前开始一直是人们议论的焦点话题。但是很多关于这方面的研究只限于日本的传统食物和洗浴文化。世界各地分布着很多长寿村和长寿国,但是像日本这样能做到全民长寿的国家的确很少见。到底这个国家有什么特殊的地方有助于国民的健康和寿命?
如果身体健康的话一般来说长寿的可能性就非常高了。有益于健康的日本传统食品和洗浴文化不用说与日本人的长寿有不可分割的关系。战后日本经济一直保持快速增长,正是有这样的大环境为日本人提供和平,安全,无任何后顾之忧的生活环境和高水准的社会福利设施等等。此外日本人的识字率号称世界第一,因此日本的一般国名对健康知识和关注力都呈上升趋势,而且退休后的老人极力从事于一些志愿者活动和工作,学习上,所以使他们能充分感受到生活的意义。
日本的老年人不仅在精神上而且在经济上,生活上都处于非常独立的地位。做到长寿不能只限于一个或两个条件,要结合很多因素综合考虑。
目 録
任务书
要 旨
摘 要
はじめに
1日本人の寿命事情について
2日本人の長寿秘密について
本 論
1生活習慣
1.1日本の伝統的な食事
1.2温泉好きと風呂文化であること
2生活環境
2.1戦後から現代まで日本は平和で、治安もいい国である。
2.2現在長寿である後期高齢者の時代の家族環境は大家族でした。
2.3高医療技術と保険福祉の高水準
3本人の精神状態
3.1日本人の教育レベルは世界でハイレベルである。
3.2生きがいを感じている高齢者の比率は高い
3.3社会貢献精神とポジティブな自立精神
4まとめ
おわりに
注 釈
参考文献
謝 辞
はじめに
1、日本人の寿命事情について
外国人から見れば、人口密度が高いうえに住宅事情も悪く、年がら年中働いているイメージの日本人である。そんな過酷な状況にもかかわらず、寿命で世界一になったのには世界中の人々が驚きました。共同通信(2006年4月7日)によると、世界保健機関(WHO)は2006年版の「世界保健報告」を発表し、2004年世界192カ国の中で、平均寿命ランキングの第一位の国は日本、モナコ、サンマリノで82歳である。男女別でみても、日本女性が86歳で最長寿、男性は日本、アイスランド、サンマリノが79歳で最長寿国である。2000年以来連続で日本は「長寿世界一」の座をキープしています。しかも平均寿命から平均障害期間を差し引いた「健康寿命」(介護や介助の必要なく元気に暮らせる年数)でも第一位なのである。
2、日本人の長寿秘密について
日本人の長寿についての研究はたくさんある。しかしこれらの研究は日本の温泉やら食事やらに限られている、例えば安全で安心で生きていられる日本の治安やハイレベルの福祉施設などにも深いかかわりがあると思われる。また現在日本の後期高齢者の精神状態も長寿の秘訣と言われている。本稿では特に日本のハイレベルの福祉施設と後期高齢者の精神状態について分析しようと考えている。
本 論
1生活習慣
1.1日本の伝統的な食事
カスピ海ヨーグルトで知られる京都大学家森幸男名誉教授は,WHOの共同研究プロジェクトで世界中の長寿地域と短命地域を訪ねて,食生活と循環器疾患,寿命との関係について25カ国58カ所を調査した結果,「長寿に秘薬はない。風土にあった伝統的な食生活にこそ長寿の秘訣がある」と結論づけている。ご飯を主食に魚、大豆,海藻,新鮮な野菜といった食材を特徴とする日本の伝統食は,極めて優れた「長寿食」として大切にすべきであり,これに東西の食文化を融合していけば理想的な長寿食にできる、とも述べている。また逆にそうした伝統食を失うと、短い期間で健康長寿がなくなってしまう傾向が見られる。
1.2温泉好きと風呂文化であること
日本人の温泉好きと風呂好きは世界でも有名である。日本人式入浴法が、各国の医学者の注目を浴び、これこそが日本人の長寿の秘訣だと考えられる。まず日本人式入浴法とは「首から下をどっぷり湯舟に沈め、歌でも歌いながらのんびりムードでゆっくり湯に浸かる、外に出て身体を洗い、もう一回ゆっくり浸かる。」ということである。このような入浴法は、欧米ではどこにもない。このような入浴方法はどんな効果があるだろう。人間の身体は、60兆という数の細胞で作られている。これら膨大な細胞に、酸素と栄養を常に与え、老廃物を取り除かないと若さを保つことはできない。これを行っているのが血液で、その運搬路が血管である。網の目のように張り巡らされている血管を、一本につなぐとなんと実に10万キロにも及ぶ。年をとると、心臓から遠い部分の循環(末梢循環)が悪くなり、これが老化の原因となる。そして、日本人の入浴法ほどこの末梢循環を良くする方法は他に見当たらないのである。さらに、入浴により、内臓の新陳代謝は良くなり、食欲も亢進し、気分も一新し、ストレス解消につながる。このような風呂文化は日本人の健康的な体を作ったのである。
2生活環境
2.1戦後から現代まで日本は平和で、治安もいい国である。
戦後から、日本はアメリカの加盟国となり、経済回復に向かっていた。それで日本はアメリカの先進技術を吸収し、また独自の新技術を開発した上で各分野の景気が見せられた。経済が発展すると日本は世界のトップレベルの国になり、60年近くずっと平和で、経済の発展も非常に速いし、社会治安も世界一となっているほどの国になった。特に現在80歳ぐらいの日本人は20歳前後からずっとこのような穏やかで健康的な社会の中で生活している人間であるからこそ寿命が長くなるのであろう。
2.2現在長寿である後期高齢者の時代の家族環境は大家族でした。
昔日本は核家族ではなく大家族の形が基本であった。曾祖父母、祖父母、親、子と世代を越えた同居の形が保たれていた。これは良き文化を直接継承していくと同時に、お年寄りを尊敬し大切にする理念が自然と発生するものである。多くの家族に囲まれた平穏な生活が長寿の理由であることも否定できない。日本人は元来、個人ではなく“家”や“一族”という物を尊重してきた。結婚がいまだに“両家の繋がり”と認識されるのはその証拠である。
2.3高医療技術と保険福祉の高水準
江戸時代から蘭学者から始まった西洋医療技術の勉強から、特に戦後アメリカの技術支援と独自の技術開発のおかげで現在外科医療技術や伝染病治療などの分野では日本は世界一と誇る技術が持っている。また日本の製薬技術も世界一と言われている。以前難病と言われた病気も現在の医療技術によって治る病気は数多いと思われる。ハイレベルの医療技術を持っている日本であるからこそ国民の寿命が長いことはおかしくない。
(表1)世界の高齢化率
国名 65歳以上の割合(%)
第1位 日本 21.0
2 イタリア 20.0
3 ドイツ 18.8
4 ギリシャ 18.2
5 ベルギー 17.6
6 フランス 16.6
7 アメリカ 12.3
国連04年版「世界人口予想」(日本:05年国勢調査)
表1「世界の高齢化率」から見ると日本の高齢化率は世界一であることが分かる。このような高齢化社会である日本の政府は医療保健と福祉施設に力を尽くしていると言われている。日本の国民医療保険の普及率は非常に高いから、お金のことで病院に行けない人は非常に少ない。高齢者は病気になるとすぐに病院に行けることは日本人の長寿につながっていると思われる。以下の「都道府県の老年人口割合[注1]と保健福祉指標との相関」というグラフから平成16年に日本の保健施設は65歳以上人口の6割をしめていることがわかる。
日本の各都市では医師やきちんとした設備を設けている福祉施設もたくさんあるので寝たきりの高齢者にとっては老後の一番の居場所である。現在老人ホームを利用している人はだんだん増えている、しかし高齢化社会である日本の場合は現在の老人ホームの数はまだ足りない状況になっていると言われている。
図1 都道府県の老年人口割合[注1]と保健福祉指標との相関
3本人の精神状態
3.1日本人の教育レベルは世界でハイレベルである。
野嵜健秀の「日本人の識字率について」(2005)によると江戸時代に寺子屋の普及による1900年頃の日本人の識字率は90%程度と推測されている。文化年間(一八〇四~一八)に江戸府内には千二、三百の大小寺子屋があったという。終戦直後、占領軍が日本を支配した時、アメリカの文部省・日本支部ともいうべきCIE(民間情報教育局)による識字率の調査によると日本人の識字率は100%に近いと言われていた。こんな高レベルの教育環境があるからこそ新しい知識特に衛生管理などの知識は素早く日本中に広がることができると考えられる。生活の中で間違った生活習慣によって起こった死亡率はほかの国よりは非常に低い。それに健康に関する知識や関心が高まっているから日本人の長寿に関係があると言われている。
3.2生きがいを感じている高齢者の比率は高い
内閣府の『高齢者の地域社会への参加に関する意識調査』(平成15年)によれば、8割以上の人が生きがい(喜びや楽しみ)を感じていると回答している。性別で違いはないが年齢階級別にみると違いがあり、年齢が高くなるほど生きがいを感じている人の割合は低くなっている。しかし80歳以上であっても約7割の人が生きがいを感じている。健康状態別にみると、良い状態であるほど生きがいを感じる人の割合が高くなっている。また、親しい友人や仲間が多いほど生きがいを感じる人の割合が高く、「たくさんいる」人では9割強にもなる。詳しいデータは以下の図2のようである。
3.3社会貢献精神とポジティブな自立精神
近年では、厚生労働省が少子化対策として2003年度から始めたシルバー人材センターを活用して、高齢者が子や孫のあたる世代の子育て支援(子育てサポート、子育て支援サービス)に参加し、乳幼児の食事、修学児の学習などの世話をし、また趣味や余暇活動、ボランティア、仕事、学習等々の活動を盛んに行っている。このような社会環境では高齢者の生活的自立、経済的自立、精神的自立が十分実現されている。
4まとめ
以上の述べたように本稿では日本人の長寿の原因は日本の健康的で伝統的な食生活や日本独特な風呂文化に関わりがある。また、生活環境の面からみると平和で安心で生きていられる健康的な社会環境や現在の後期高齢者の時代の大家族のような家庭環境、ハイレベルの医療技術と社会保険などの生活環境が非常に恵まれているから日本人の寿命に非常にプラスになる要素となると考えられる。それに本人の精神的な状態から見ると、日本人の識字率がほぼ100%であるということから日本人の健康に関する知識や関心が高まっていることが分かる。また8割の高齢者は生きがいを感じているし、生活的自立、経済的自立、精神的自立が十分実現されていることは日本人の長寿に関係があると論じている。
おわりに
長寿できるということは習慣や生活環境、本人の精神的な状態などに左右されていることがわかるようになりました。しかし現在の30代から50代までの日本人の食生活の特徴は動物性脂肪を沢山食べること、成長促進剤と抗生物質漬けの養殖魚や輸入肉、日本を代表するクズ食品カップラーメン添加物だらけの加工食品、農薬たっぷりの季節感のない野菜、ファーストフード、遺伝子組み換え食品などの摂取することである。これによって現在の様々な成人病の多発や新しい難病の発病などによって将来日本人は長寿でいられるかどうかは今後の課題になると思われる。
注釈
注1:総務省「平成16年10月1日現在推計人口」
注2:厚生労働省「平成12年都道府県別生命表」
注3:厚生労働省「平成16年国民生活基礎調査」
注4:厚生労働省「平成14年患者調査」
注5:厚生労働省「平成15年病院報告」
注6:厚生労働省「介護保険事業状況報告」(平成17年6月分)
注7:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成16年10月1日)
要 旨
共同通信(2006)によると、世界保健機関は2006年版の「世界保健報告」を発表し、2004年世界192カ国の中で、平均寿命ランキングの第一位の日本の女性は86歳で、男性は79歳での最長寿国と認定された。しかし、人口密度が高くで住宅事情も悪く、よく働きものである日本人はどうしてそんな長寿になったのか。その問題について約20年前からずっと話題になっているが、しかし多くの研究は日本の伝統食や風呂文化に限っている。世界各地で長寿村や長寿国は沢山あるが、日本のように国民全体の寿命が長いということは確かに少ないから、一体この国にはどんな特別なことは国民の健康状態や寿命をサポートしているのか。
健康であれば、一般的に長寿になる可能性は非常に高い。健康にいい日本の伝統食品や風呂文化は言うまでもなく長寿に深い関係がある。しかし、戦後ずっと経済急速発展した日本であるからこそ平和で安全で安心で生きていられる生活環境や高レベルの福祉施設などの条件をと揃えている。また日本人の識字率は世界一と誇るほど高いから、一般国民は健康に関する知識や関心が高まっているし、定年退職した後も生きがいを感じられるようなボランティア活動や仕事、学習などのことに力を尽くしている。
本稿では日本人の生活習慣、生活環境、精神状態から日本人の長寿を考察してみる。特に日本のハイレベルの福祉施設と後期高齢者の精神状態について分析しようと考えている。日本人の長寿の原因を明確して、それによって中国に少し参考になれば、幸いであると思う。
(在中文摘要里,把这一段翻译成汉语)
キーワード:長寿、福祉施設、生きがい、精神的自立
关于日本人长寿的考察
摘要
据共同通信社(2006)的报道,世界保健机关200年版的《世界保健报告》表示2004年世界192个国家平均寿命评比中居于第一位的国家是日本。日本女性的平均寿命是86岁,男性是79岁,因此日本被认定为最长寿国。但是日本人口密度高,住房拥挤而且日本人还是工作狂为什么他们会长寿呢?关于这个问题大约从20年前开始一直是人们议论的焦点话题。但是很多关于这方面的研究只限于日本的传统食物和洗浴文化。世界各地分布着很多长寿村和长寿国,但是像日本这样能做到全民长寿的国家的确很少见。到底这个国家有什么特殊的地方有助于国民的健康和寿命?
如果身体健康的话一般来说长寿的可能性就非常高了。有益于健康的日本传统食品和洗浴文化不用说与日本人的长寿有不可分割的关系。战后日本经济一直保持快速增长,正是有这样的大环境为日本人提供和平,安全,无任何后顾之忧的生活环境和高水准的社会福利设施等等。此外日本人的识字率号称世界第一,因此日本的一般国名对健康知识和关注力都呈上升趋势,而且退休后的老人极力从事于一些志愿者活动和工作,学习上,所以使他们能充分感受到生活的意义。
本论文将通过研究日本人的生活习惯,生活环境,精神状态来考察日本人的长寿。就日本高水平的福祉设施和高龄老人的精神状态进行重点分析,探明日本人长寿的原因。本论文的研究结果如果能给中国人一些启示的话将最好不过了。
はじめに
1、日本人の寿命事情について
外国人から見れば、人口密度が高いうえに住宅事情も悪く、年がら年中働いているイメージの日本人である。そんな過酷な状況にもかかわらず、寿命で世界一になったのには世界中の人々が驚いた。共同通信(2006年4月7日)によると、世界保健機関(WHO)は2006年版の「世界保健報告」を発表し、2004年世界192カ国の中で、平均寿命ランキングの第一位の国は日本、モナコ、サンマリノで82歳である。男女別でみても、日本女性が86歳で最長寿、男性は日本、アイスランド、サンマリノが79歳で最長寿国である。2000年以来連続で日本は「長寿世界一」の座をキープしている。しかも平均寿命から平均障害期間を差し引いた「健康寿命」(介護や介助の必要なく元気に暮らせる年数)でも第一位なのである。
2、先行研究
日本人の長寿についての研究はたくさんある。しかしこれらの研究は日本の温泉やら食事やらに限られている、例えば安全で安心で生きていられる日本の治安やハイレベルの福祉施設などにも深いかかわりがあると思われる。また現在日本の後期高齢者の精神状態も長寿の秘訣と言われている。
3、本稿の視点
本稿では日本人の生活習慣、生活環境、精神状態から日本人の長寿を考察してみる。特に日本のハイレベルの福祉施設と後期高齢者の精神状態について分析しようと考えている。日本人の長寿の原因を明確して、それによって中国に少し参考になれば、幸いであると思う。
本 論
1生活習慣
1.1日本の伝統的な食事
カスピ海ヨーグルトで知られる京都大学家森幸男名誉教授は,WHOの共同研究プロジェクトで世界中の長寿地域と短命地域を訪ねて,食生活と循環器疾患,寿命との関係について25カ国58カ所を調査した結果,「長寿に秘薬はない。風土にあった伝統的な食生活にこそ長寿の秘訣がある」と結論づけている。ご飯を主食に魚、大豆,海藻,新鮮な野菜といった食材を特徴とする日本の伝統食は,極めて優れた「長寿食」として大切にすべきであり,これに東西の食文化を融合していけば理想的な長寿食にできる、とも述べている。また逆にそうした伝統食を失うと、短い期間で健康長寿がなくなってしまう傾向が見られる。
1.2温泉好きと風呂文化であること
日本人の温泉好きと風呂好きは世界でも有名である。日本人式入浴法が、各国の医学者の注目を浴び、これこそが日本人の長寿の秘訣だと考えられる。まず日本人式入浴法とは「首から下をどっぷり湯舟に沈め、歌でも歌いながらのんびりムードでゆっくり湯に浸かる、外に出て身体を洗い、もう一回ゆっくり浸かる。」ということである。このような入浴法は、欧米ではどこにもない。このような入浴方法はどんな効果があるだろう。人間の身体は、60兆という数の細胞で作られている。これら膨大な細胞に、酸素と栄養を常に与え、老廃物を取り除かないと若さを保つことはできない。これを行っているのが血液で、その運搬路が血管である。網の目のように張り巡らされている血管を、一本につなぐとなんと実に10万キロにも及ぶ。年をとると、心臓から遠い部分の循環(末梢循環)が悪くなり、これが老化の原因となる。そして、日本人の入浴法ほどこの末梢循環を良くする方法は他に見当たらないのである。さらに、入浴により、内臓の新陳代謝は良くなり、食欲も亢進し、気分も一新し、ストレス解消につながる。このような風呂文化は日本人の健康的な体を作ったのである。
2生活環境
2.1戦後から現代まで日本は平和で、治安もいい国である。
戦後から、日本はアメリカの加盟国となり、経済回復に向かっていた。それで日本はアメリカの先進技術を吸収し、また独自の新技術を開発した上で各分野の景気が見せられた。経済が発展すると日本は世界のトップレベルの国になり、60年近くずっと平和で、経済の発展も非常に速いし、社会治安も世界一となっているほどの国になった。特に現在80歳ぐらいの日本人は20歳前後からずっとこのような穏やかで健康的な社会の中で生活している人間であるからこそ寿命が長くなるのであろう。
2.2現在長寿である後期高齢者の時代の家族環境は大家族でした。
昔日本は核家族ではなく大家族の形が基本であった。曾祖父母、祖父母、親、子と世代を越えた同居の形が保たれていた。これは良き文化を直接継承していくと同時に、お年寄りを尊敬し大切にする理念が自然と発生するものである。多くの家族に囲まれた平穏な生活が長寿の理由であることも否定できない。日本人は元来、個人ではなく“家”や“一族”という物を尊重してきた。結婚がいまだに“両家の繋がり”と認識されるのはその証拠である。
2.3高医療技術と保険福祉の高水準
江戸時代から蘭学者から始まった西洋医療技術の勉強から、特に戦後アメリカの技術支援と独自の技術開発のおかげで現在外科医療技術や伝染病治療などの分野では日本は世界一と誇る技術が持っている。また日本の製薬技術も世界一と言われている。以前難病と言われた病気も現在の医療技術によって治る病気は数多いと思われる。ハイレベルの医療技術を持っている日本であるからこそ国民の寿命が長いことはおかしくない。
(表1)世界の高齢化率
国名 65歳以上の割, 合(%)
第1位 日本 21.0
2 イタリア 20.0
3 ドイツ 18.8
4 ギリシャ 18.2
5 ベルギー 17.6
6 フランス 16.6
7 アメリカ 12.3
出典:国連04年版「世界人口予想」(日本:05年国勢調査)
表1「世界の高齢化率」から見ると日本の高齢化率は世界一であることが分かる。このような高齢化社会である日本の政府は医療保健と福祉施設に力を尽くしていると言われている。日本の国民医療保険の普及率は非常に高いから、お金のことで病院に行けない人は非常に少ない。高齢者は病気になるとすぐに病院に行けることは日本人の長寿につながっていると思われる。以下の「都道府県の老年人口割合[注1]と保健福祉指標との相関」というグラフから平成16年に日本の保健施設は65歳以上人口の6割をしめていることがわかる。
日本の各都市では医師やきちんとした設備を設けている福祉施設もたくさんあるので寝たきりの高齢者にとっては老後の一番の居場所である。現在老人ホームを利用している人はだんだん増えている、しかし高齢化社会である日本の場合は現在の老人ホームの数はまだ足りない状況になっていると言われている。
図1 都道府県の老年人口割合[注1]と保健福祉指標との相関
出典:財団法人長寿科学振興財団(平成20年)
3本人の精神状態
3.1日本人の教育レベルは世界でハイレベルである。
野嵜健秀の「日本人の識字率について」(2005)によると江戸時代に寺子屋の普及による1900年頃の日本人の識字率は90%程度と推測されている。文化年間(一八〇四~一八)に江戸府内には千二、三百の大小寺子屋があったという。終戦直後、占領軍が日本を支配した時、アメリカの文部省・日本支部ともいうべきCIE(民間情報教育局)による識字率の調査によると日本人の識字率は100%に近いと言われていた。こんな高レベルの教育環境があるからこそ新しい知識特に衛生管理などの知識は素早く日本中に広がることができると考えられる。生活の中で間違った生活習慣によって起こった死亡率はほかの国よりは非常に低い。それに健康に関する知識や関心が高まっているから日本人の長寿に関係があると言われている。
3.2生きがいを感じている高齢者の比率は高い
内閣府の『高齢者の地域社会への参加に関する意識調査』(平成15年)によれば、8割以上の人が生きがい(喜びや楽しみ)を感じていると回答している。性別で違いはないが年齢階級別にみると違いがあり、年齢が高くなるほど生きがいを感じている人の割合は低くなっている。しかし80歳以上であっても約7割の人が生きがいを感じている。健康状態別にみると、良い状態であるほど生きがいを感じる人の割合が高くなっている。また、親しい友人や仲間が多いほど生きがいを感じる人の割合が高く、「たくさんいる」人では9割強にもなる。詳しいデータは以下の図2のようである。
出典:内閣府の『高齢者の地域社会への参加に関する意識調査』(平成15年)
3.3社会貢献精神とポジティブな自立精神
近年では、厚生労働省が少子化対策として2003年度から始めたシルバー人材センターを活用して、高齢者が子や孫のあたる世代の子育て支援(子育てサポート、子育て支援サービス)に参加し、乳幼児の食事、修学児の学習などの世話をし、また趣味や余暇活動、ボランティア、仕事、学習等々の活動を盛んに行っている。このような社会環境では高齢者の生活的自立、経済的自立、精神的自立が十分実現されている。
4まとめ
以上の述べたように本稿では日本人の長寿の原因は日本の健康的で伝統的な食生活や日本独特な風呂文化に関わりがある。また、生活環境の面からみると平和で安心で生きていられる健康的な社会環境や現在の後期高齢者の時代の大家族のような家庭環境、ハイレベルの医療技術と社会保険などの生活環境が非常に恵まれているから日本人の寿命に非常にプラスになる要素となると考えられる。それに本人の精神的な状態から見ると、日本人の識字率がほぼ100%であるということから日本人の健康に関する知識や関心が高まっていることが分かる。また8割の高齢者は生きがいを感じているし、生活的自立、経済的自立、精神的自立が十分実現されていることは日本人の長寿に関係があると論じている。
おわりに
長寿できるということは習慣や生活環境、本人の精神的な状態などに左右されていることがわかるようになった。しかし現在の30代から50代までの日本人の食生活の特徴は動物性脂肪を沢山食べること、成長促進剤と抗生物質漬けの養殖魚や輸入肉、日本を代表するクズ食品カップラーメン添加物だらけの加工食品、農薬たっぷりの季節感のない野菜、ファーストフード、遺伝子組み換え食品などの摂取することである。これによって現在の様々な成人病の多発や新しい難病の発病などによって将来日本人は長寿でいられるかどうかは今後の課題になると思われる。
注釈
注1:総務省「平成16年10月1日現在推計人口」
注2:厚生労働省「平成12年都道府県別生命表」
注3:厚生労働省「平成16年国民生活基礎調査」
注4:厚生労働省「平成14年患者調査」
注5:厚生労働省「平成15年病院報告」
注6:厚生労働省「介護保険事業状況報告」(平成17年6月分)
注7:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成16年10月1日)
参考文献
[1] 明治生命厚生事業団. 健康と長寿 4 心とからだの健康設計 充実の高齢期はあなたのもの[M].大蔵省印刷局.1999
[2] 長寿社会文化協会.定年後はイキイキ人生[M] .明石書店.2001
[3](日)永山久夫(著),蒋瑞英(译).日本人的长寿秘诀[M].暖流出版社.1996
[4] 結城康博.入門長寿〈後期高齢者〉医療制度[M].ぎょうせい .2008
[5] 大蔵省印刷局.警察白書のあらまし 豊かな長寿社会を目指して[M].大蔵省印刷局.1986
[6] 祖父江逸郎.長寿を科学する[M].岩波書店.2009
[7] 陸田幸枝.長寿の国日本の伝統食 もうひとつの旬[M].小学館.2003
[8] 瀬沼克彰.長寿社会の余暇開発[M].世界思想社.2005
[9]桃井緑美子.賢知の時代 長寿社会への大転換[M].共同通信社.2000
[10] 世界保健機関(WHO).「世界保健報告」[A].共同通信.2006
参考文献
[1] 明治生命厚生事業団. 健康と長寿 4 心とからだの健康設計 充実の高齢期はあなたのもの[M].大蔵省印刷局.1999
[2] 長寿社会文化協会.定年後はイキイキ人生[M] .明石書店.2001
[3](日)永山久夫(著),蒋瑞英(译).日本人的长寿秘诀[M].暖流出版社.1996
[4] 結城康博.入門長寿〈後期高齢者〉医療制度[M].ぎょうせい .2008
[5] 大蔵省印刷局.警察白書のあらまし 豊かな長寿社会を目指して[M].大蔵省印刷局.1986
[6] 祖父江逸郎.長寿を科学する[M].岩波書店.2009
[7] 陸田幸枝.長寿の国日本の伝統食 もうひとつの旬[M].小学館.2003
[8] 瀬沼克彰.長寿社会の余暇開発[M].世界思想社.2005
[9]桃井緑美子.賢知の時代 長寿社会への大転換[M].共同通信社.2000
[10] 世界保健機関(WHO).「世界保健報告」[A].共同通信.2006
謝 辞
この論文を書くにあたっては、~~~先生から非常に大きなご助力をいただきました。指導教官として、~~~先生にはこの論文について構想、主題、文章表現などで多くのご指摘をいただきました。先生のおかげで、卒業論文は無事に完成しました。ここに心から感謝の気持ちを表したいと思います。